俳句などをまとめる

直線の理性を緩めしゃぼん玉
どうしても雨に頼るか虹の性

卒業のしるしを捨てて勝ち越して

水色と黄色と青の夏を過ぎ

待ちわびて広瀬香美iPod

米を研ぐ指に見惚れて僕と咳
オリオンを背にうけ鳴らせファンファーレ
氷から現る水の最適解

凍解を待って待ってよ落日の今
白皙の熱雪崩れて青明ける夜
確固たるライトなくして身も朧

硬質の月からはかる横の茫洋
流星の軌道を辿ってきみはなに

アクリルを踏んで踏めない薄氷

ひかりゆく背に透け掠れてライラック

曖昧な罪にとどまる夏の日にあなたはなにを想っていますか

春雷と風あせる恋にギロチン
追憶の中に離れる手とミモザ

陰りゆく夏の庭ときみへの祈り

信号のきらきらと薄暑を歩く
TSUTAYAまで迫る少しの緊張と振り返るきみスローモーション

張りぼての星河に埋もれる六拍子

きみの爪を染める葡萄に嫉妬して
冷ややかな身体を眺め午前2時 風を通して空中浮遊

橙の円環 眩むリフレクション
静謐な月から君へ垂直落下

前で瞬くプリズムではあまりに軽々しくてミルクを混ぜた

いたずらに景色を変える遊覧船、伏し目 航跡に僕を見つけた
凍月に関与したくて投げる熱

流氷を漕ぎ出し光れその彼方
春を待つきみは前ばかり見ていて目を閉じ流すエンドロール

窓越しの反射を潜る午後3時
夏至に吸い込む息 古本市とスロウ

暖色の霞隔てて今、わたし
かれの片手には風船足に鉄
春の夢駅で乗り継ぎ次の街

消費する生活に興味なんてなく夏めく空をベッドから見る

息をする連綿とした地に君の風を纏ってきえたすいせい
無重力身体で抱くペーパームーン